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木喰上人入門

もくじきしょうにんにゅうもん
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■木喰さんの名前

五穀とは…
日本人が昔から主食として
食べてきた、次の五つの
主な穀類のこと。

   (あわ) 
 (きび)または(ひえ)
 木喰という名前は、同じく「もくじき」と発音する「木食」という言葉からきています。 お坊さんの修行(しゅぎょう)のしかたのひとつです。 どんな修行なのでしょう? 五穀(ごこく)を断(た)ち、木の実や芽だけを食べて暮らすのです。 食べていいとされるものであっても、火を通して食べてはいけません。 話を聞くだけでもお腹が空いてきそうな、寒そうな修行ですね。 木喰さんは、水戸(みと=茨城県)の羅漢寺(らかんじ)の木食観海(かんかい)上人という人から木食戒(もくじきかい)を授かり、この厳しい修行を続けました。  そば粉を水で練ったものをよく食べていたともいわれています。
木食戒とは…
(1)五穀を断って火食しない
(2)五穀を断ったままで回峯行(かいほうぎょう)
(3)ぼん字の読み書き、解釈(かいしゃく)
(4)石彫(いしぼり)および木彫作法
(5)和歌の作り方、詠(よ)み方
(6)毎日の勤行、作務(さむ)

─を行うことといわれる。 一日一食が基本である。 木喰が、これらの修行をまんべんなく、しかも最終段階までこなし、自らの血肉としたことは、1773(安永2)年2月11日、55歳の春に始まり、92歳の1810(文化7)年に終了する日本回国修行のうちに明示されている。

(山梨日日新聞社「山梨百科事典」より)
 「上人(しょうにん)」というのはお坊さんのことを尊敬の気持ちをこめて呼ぶ言葉です。 ですから「木食上人」といえば、もともとこの木食の行を行なうお坊さん全般の呼び名です。 ここでお話をしている古関出身の木喰上人以外にも、木食上人と呼ばれたお坊さんは何人もいました。 なかでも?語彙集食応其(おうご)というお上人が特に有名です。 こちらの木食さんは、古関の木喰さんより200年近く前に生きた人です。
 古関の木喰さんは、伊藤という苗字(みょうじ)の家に生まれました。木喰さんが幼いころ何という名前で呼ばれていたかは、わかっていません。 生まれた家を離れ、お坊さんになり、木食の修行をするための誓(ちか)いをしたときから、自分のことを「木食行者(ぎょうじゃ)行道(ぎょうどう)」と名乗るようになりました。
木喰上人の名前の移り変わり
木食行者行道
宝暦12(1762)年・45歳

天一自在法門木喰五行菩薩
寛政6(1794)年・77歳

神通光明明満仙人
文化3(1806)年・89歳
 その後、全国を廻(めぐ)り歩くのですが、九州の宮崎県には長い間とどまります。 その間に「木喰五行菩薩(もくじきごぎょうぼさつ)」と名前を改めました。 このときから、「木食」のかわりに「木喰」という字を使うようになっています。 ですから、耳で聞くと同じに聞こえますが、木食上人と書かれた場合には「木食行をおこなうお坊さん」の総称、木喰上人と書かれた場合には「古関出身の木喰行道」のことだとわかります。
  木喰上人はさらに晩年、夢に御告(おつ)げを受け、そのことをきっかけに「明満仙人(みょうまんせんにん)」と改名しています。
*上記のように、「木食行者行道」を名乗る以前の木喰上人の呼び名は不明で、「木食行者行道」以後も時代とともに変化します。 わかりづらくならないように、当サイトにおいてはすべて、「木喰上人」「木喰さん」の名で統一しました。

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