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わしのきほん 和紙の基本
 和紙のはじまり  和紙ってどんなもの?  原料のこと  植物が和紙になるしくみ
 和紙の種類  この紙どんな紙?

原料のこと
 現在、日本の各地で作られているほとんどの和紙は、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)から作られています。これらの木は、枝の表皮と芯のあいだに繊維の長い、和紙作りに適した部分があって、そこから繊維分を取り出して使います。
 古くは麻(あさ)も使われていました。麻は一年草で生育範囲(はんい)が広く調達(ちょうたつ)は容易(ようい)ですが、原料の処理にたいへん手間がかかります。現在ではごく一部の紙に使われています。三椏が和紙の原料として使われるようになったのは楮や雁皮よりも遅く、16世紀ころからと考えられています。
 楮は、江戸時代に有用な産物として重視された「四木三草(しぼくさんそう)」のひとつに数えられています。四木は「漆(うるし)」「桑(くわ)」「楮」「茶」、三草は「麻」「藍(あい)」「紅花(べにばな)」のことです。

 楮、三椏、雁皮の特徴です。
三椏 雁皮
概要 クワ科の落葉低木。本州以西の産地に自生する。高さ2〜5m。6月頃に熟(じゅく)す果実はキイチゴに似て食用になる。 ジンチョウゲ科の落葉低木。中国原産。高さ1〜2m。枝が3本に分かれる。 ジンチョウゲ科の落葉低木。本州の中部以南の暖地の山中に生える。高さ1.5m以上。
栽培 よく育ち栽培が容易。株(かぶ)にして栽培し、伸びる枝を毎年刈り取る。 苗(なえ)を植えてから3年ごとに収穫(しゅうかく)する。 生育が遅(おそ)く栽培が難しい。
紙の
性質
繊維は長く、絡み合う性質。強靭(きょうじん)な紙ができる。 繊維は短い。優美で緻密(ちみつ)な紙肌(はだ)。長く使用してもシワにならず、虫害に強い。 繊維は短く強靭で光沢(こうたく)がある。丈夫(じょうぶ)で美しくなめらかな表面。虫害に強い。
用途 写経用紙、障子紙、ふすま紙、提灯(ちょうちん)紙、版画(はんが)用紙など。 紙幣(しへい)、箔合(はくあい)紙、かな用書道用紙、コピー用紙など。 箔(はく)打ち紙、間似合(まにあい)紙など。
産地 主産地は高知県。ほかに那須(なす)楮、八女(やめ)楮、石州(せきしゅう)楮などが有名。 中国・四国地方。ほかに静岡県、山梨県も。 野生のものを採取(さいしゅ)する。

三椏の木


 枝が3本に分かれるのが  名前の由来