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千葉長作さん

ちば・ちょうさく
 文久元(1861)頃-昭和10(1935) 身延町大塩生まれ

なにをしたひと? もっと詳しく… 千葉長作さんの著書 関連資料


なにをしたひと?

 山岡鉄舟(やまおか・てっしゅう)の遺業(いぎょう)を継承(けいしょう)した剣道家(けんどうか)です。 13歳で故郷(こきょう)を離れ、京都、大阪、四国を経(へ)て熊本まで武者修行(むしゃしゅぎょう)の旅をしました。 日本講武会、日本武道会などを創立し、武道の奨励(しょうれい)に生涯を捧(ささ)げました。


千葉長作さん写真
千葉長作さん
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千葉長作さんは、本名を地場(じば)長作といいます。 文久元(1861)年頃、大塩村(おおしおむら=身延町大塩)の地場源次郎の長男として生まれました。 地場源次郎は、西島村(身延町西嶋)の足平(あしんたいら)地区の開拓(かいたく)の恩人(おんじん)といわれている人です。
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自著(じちょ)『武道経歴一班』によると、長作さんは13歳のときに家族のもとを離れ、武者修行(むしゃしゅぎょう)の旅に出ました。 静岡へ出たのちは西に向かい、鍛錬(たんれん)や試合を重ねつつ、九州まで行きます。 この修行の旅は5年にわたりましたた。 修行の旅を終え故郷にしばらくとどまったのち、上京します。 四谷の山岡鉄舟の道場で7年間学びました。

その後、甲府(太田町)、横浜、東京(両国、本郷、小石川)などの各地に道場を作っては、経営および武術の奨励(しょうれい)のためその地に7年、8年と留まる、という年月を送りました。 大正2(1913)年、千葉周作(ちば・しゅうさく)の武門を継(つ)ぎ、自宅道場にて多くの門弟を養成しました。 また、各地で剣道大会を催(もよお)したり、靖国(やすくに)神社で毎年春秋2回の奉納(ほうのう)大会を計54回開催するなどして、剣道の発展に寄与(きよ)しました。

千葉長作さんは、昭和10(1935)年1月5日に亡くなりました。 大塩の薬王寺の過去帳には、「長光院仁剣智範居士」との戒名(かいみょう)が記されているとのことです。 その生涯(しょうがい)のすべてを剣道のために捧げた千葉長作さんですが、『武道経歴一班』のなかでも次のように語っています。 「要するに余(よ)の一生は、武道を以(もっ)て終り、其(そ)の行動は聊(いささ)か世道人心(せどうじんしん)のため涓滴(けんてき)の裨益(ひえき)であることと信ずるを以て、敢(あえ)て概略の経歴を記して世人に示す所以(ゆえん)である」。

発明 おおぅ?
♪こんなことも〜
 千葉長作さんが防弾(ぼうだん)チョッキの発明者であるとの記録があります。 以下の『山梨県剣道史』の記述によると、インターナショナルな評価を得たようですが、いったいどのようなものだったのか、気になりますね。
 また、防弾チョッキを発明して、当時の陸軍大臣寺内正毅(てらうち・まさたけ)から賞讃(しょうさん)を受け、後(のち)台湾総督(たいわんそうとく)の招命(しょうめい)により渡台(とたい)して多数の購入を受け、幾許(いくばく)もなく、米国砲兵工廠(こうしょう)監督(かんとく)バンコフオルトテーン少佐から米国大使館を通じて、米国中央博物館に陳列(ちんれつ)の要請(ようせい)を受けて出品し、軽量で和・洋服の下着用として動作に少しも支障がないので、数多(あまた)の防弾具(ぼうだんぐ)中第二位の成績を得たとのことである。
山梨県剣道連盟発行『山梨県剣道史』より

千葉長作さんの
著書
貸出可 身延町立図書館にある資料です。
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館内閲覧 身延町立図書館にある資料です。
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館内閲覧 ■千葉長作
国民剣道教範
浩文社
1934(昭和9)年7月(再版)

■千葉長作
日本武道教範
博文館
1908(明治41)年12月

■千葉長作
武道教訓
日高有倫堂
1911(明治44)年4月

■渡辺一郎[編]
明治武道史 史料
新人物往来社
1971(昭和46)年
●千葉長作著「武道教範」を収録
館内閲覧 ■高野佐三郎・千葉長作・牧野秀 今村嘉雄[編]
近代剣道名著大系 第3巻
同朋社出版
1986(昭和61)年2月
●千葉長作著「国民剣道教範」を収録



関連資料
貸出可 身延町立図書館にある資料です。
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館内閲覧 身延町立図書館にある資料です。
貸出はできませんが、
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館内閲覧 日本人名大事典 4 平凡社
1979(昭和54)年7月
●千葉長作
館内閲覧 山梨県剣道史 山梨県剣道連盟
1977(昭和52)年5月
●第四編「明治大正期の山梨県の剣道」第一章「剣道の浮沈」第三節「この期の剣道家」二、千葉長作

 修行の旅のようすが詳しく記された自著『武道経歴一班』が掲載されています。
館内閲覧 ■山梨県剣道連盟記念誌編集委員会[編]
設立五十周年記念誌 山梨の剣道
山梨県剣道連盟
2004(平成16)年4月
●第五章「剣道に寄せる思い」四、寄稿「幕末から昭和にかけて活躍した郷土の剣豪 千葉(地場)長作」(北村晴太郎)
館内閲覧 ■深沢喜一
西島の今昔
「西島の今昔」後援会
1970(昭和45)年
●各界に活躍した人たち「日本武道会長地場長作氏」
貸出可 ■特定非営利活動法人つなぐ[編]
みのぶのびのびガイドブック 身延町中富編
  石垣の道がうれしいね、
  ほっとする和紙の里めぐり
身延町役場
2007(平成19)年3月
●日本一の剣道家・千葉長作は、身延町西嶋の出身である

【このページの参考文献・資料】

『日本人名大事典 4』(平凡社) 『山梨県剣道史』(山梨県剣道連盟) 『西島の今昔』(「西島の今昔」後援会)

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