木喰上人 トップページ > 身延に遺る作品

身延に遺る作品

みのぶにのこるさくひん
[ 四国堂と八十八体仏 | 永寿庵・五智如来像 | 山神社・山の神像 | マツコ堂の木喰仏 | 木喰上人の遺品 ]
[ 静仙院薬師堂・薬師如来像 | 金龍寺・日蓮聖人像 ]

永寿庵
永寿庵
永寿庵への階段
永寿庵への階段
■永寿庵・五智如来像

 屋敷(やしき)地区にある永寿庵(えいじゅあん)は、身延町道(みち)にある?語彙集洞宗(そうとうしゅう)のお寺、慈観寺(じかんじ)の?語彙集寺(まつじ)で、木喰上人の生家の?語彙集提寺(ぼだいじ)でした。 第3期の?語彙集国(かいこく)を終えて丸畑に帰ってきた折に、荒れ果てていたこのお寺を修理し、五智如来(ごちにょらい)像を刻んで奉納(ほうのう)しました。
 五智如来像は、昭和43年に県の文化財に指定され、それを機に保存のために別の場所に移されました。 現在は、木喰さんの生家に造られた木喰記念館にあります。
木喰記念館
木喰記念館
五智如来像
(右)五智如来像
寛政12(1800)年12月(83歳)
高さ 84.0~84.7cm 材質:とち
昭和43(1968)年12月県文化財指定
釈迦如来・阿閦如来・大日如来・宝生如来・阿弥陀如来

 五智というのは、 ?語彙集教(みっきょう)の教主(きょうしゅ)である大日如来(だいにちにょらい)の持つ智(ち)を5つに分けたもので、

    「大円鏡智(だいえんきょうち)」
    「平等性智(びょうどうしょうち)」
    「妙観察智(みょうかんざつち)」
    「成所作智(じょうしょさち)」

の「四智(しち)」に、四智の根本であるところの

    「法界体性智(ほっかいたいしょうち)」

を加えたものをのことです。
 その五智を、それぞれの如来に充(あ)てたものが五智如来で、

    大日(だいにち=法界体性智)
    阿閦(あしゅく=大円鏡智)
    宝生(ほうしょう=平等性智)
    阿弥陀(あみだ=妙観察智)
    不空成就(ふくうじょうじゅ=成所作智)

のことをいいます。 不空成就は釈迦(しゃか)と同一視されることもあり、木喰さんの五智如来でも、釈迦如来としています。 
 永寿庵の五智如来は、寛政12(1800)年11月より造り始められ、その年の暮ごろに?語彙集眼(かいげん)式が行なわれたようです。 木喰さんが修理し五智如来を奉納した永寿庵も、月日の流れのうちに再び荒れ果ててしまいましたが、昭和60(1985)年に改修が行なわれて現在にいたっています。
 永寿庵は、『甲斐百八霊場』(テレビ山梨が開局10周年を記念して昭和55年に選定した県内109の寺院)のひとつに選ばれています。 →『甲斐百八霊場』(山梨新報社WEBサイト内)

前のページへ  次のページへ  「身延に遺る作品」トップにもどる