昔、道(みち)字(あざ)椚尾(くぬぎを)というところに源氏(げんじ)の落武者(おちむしゃ)が来て住み、源氏に縁故(えんこ)の深い鶴ヶ丘八幡(つるがおかはちまん)を勧請(かんじょう)して八幡神社を建てた。神社へ行く途中(とちゅう)に樹齢(じゅれい)千数百年という古木(こぼく)の桜(さくら)があって、これを豆まき桜と呼んだ。西河内(かわうち)地方や鴨狩(かもがり)ではこの桜を見て「東河内の豆まき桜が咲いたら豆をまけ」と言って豆をまく時期の目安(めやす)にしていた。この木も今はない。
ちなみに、この桜の切り口は八畳(じょう)敷(じ)きもあって、信州から職人を頼(たの)み一週間がかりで切ったと伝えられている。今二代目が植えられている。
|