【地区】
 旧中富町 原地区
【ジャンル】
 動物
【キーワード】
 武田信玄
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【出典】 『中富町誌』 (中富町誌編纂委員会 1971) |
くつわ虫
くつわむし
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武田信玄(たけだ・しんげん)が身延を攻(せ)めたとき、飯富(いいとみ)に陣(じん)をとって評議(ひょうぎ)を凝(こ)らしていたところ、「ガチャガチャ」と刀のつば合わせのような音がした。
急いで外に出てみると、くつわ虫のうるさい鳴き声であった。
そこで信玄は早川を境(さかい)に大声一喝(いっかつ)「こちらへ来るな!!」と叫(さけ)んだという。それ以来今日(こんにち)に至(いた)るもくつわ虫は下山に住むが、飯富には住まなくなったという言い伝えがある。
同じような伝説は、下山・大城(おおじろ)にもあるが、下山の場合は、武田の軍勢(ぐんぜい)が会議をしていたところ、くつわ虫があまりうるさく鳴いたため、それを怒ったところ、下山隧道(ずいどう)の流れている唐沢(からさわ)という沢から北側にくつわ虫がいなくかったといわれ、また穴山八幡(あなやまはちまん)の神様がくつわ虫をたいへん嫌(きら)ったためともいわれている。
また大城の場合は、遠藤伊勢守(いせのかみ)がある夜学問をしていると、くつわ虫がうるさいので怒ったところ、それ以来大城にはくつわ虫がいなくなったというかたちで伝えられている。
くつわ虫の、つば合わせにも似た鳴き声から、戦乱、争乱をいみきらった民衆(みんしゅう)のねがいから生まれた伝説とも考えられる。
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