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 シダレザクラって、どんな木?

 日本に10種あるといわれている野生のサクラのひとつ、「エドヒガン(江戸彼岸)」が変異 へんい して、枝が下に垂 た れるようになったサクラです。イトザクラ、とも呼ばれます。広い意味で使う場合には、栽培種 さいばいしゅ のベニシダレやヤエベニシダレなど、枝が垂れるサクラの全部がシダレザクラです。

 ここではエドヒガンの変異種としてのシダレザクラの特徴 とくちょう を見てみましょう。枝が垂れる以外の特徴は、エドヒガンと同じです。

 木の特徴  イラストは左がエドヒガン、右がシダレザクラの幹と枝のようすです。

 幹は灰色 はいいろ っぽい褐色 かっしょく。縦 たて 方向に不揃 ふぞろ いな浅い割れ目があります。多くのサクラは横方向に割れます。年をとるとともに、カキの幹のように剥離 はくり します。

 幹に近い太い枝は、上へ向かって伸 の びます。

 エドヒガンは、先の方の細い枝も上へ伸びます。

 シダレザクラは、先の方の細い枝が下へ垂れ下がります。
エドヒガンは長生きで、巨木が多いんです。
高さが20m、幹の径が3mを超える木もあるとはビックリ!

 花の特徴

 花弁 かべん は5枚で淡紅色 たんこうしょく。花の大きさは1.5〜2cmです。

 めしべは、釘 くぎ みたいに頭が平らになっていて、そこで花粉 かふん を受けます。



 おしべの数は25〜40本ほどで、一定ではありません。

 軸 じく の部分は小花柄 しょうかへい といい、1〜1.4cmで毛が密生 みっせい しています。

 花全体を支える短いこの部分は、花柄 かへい といいます。

 冬の間に花芽 かがを包んでいた部分です。ひとつの花芽から花柄が1本伸 の びて、複数の花に分かれます。
 咢筒 がくとう は長さ5〜6mmで、壺 つぼ のような形で、開いた毛が密に生えています。ほかの種との見分けがしやすい特徴のひとつです。

 咢裂片 がくれつへん は丸みのある三角形で小さめ、縁 ふち に細かいギザギザがあります。花がつぼみの時はこの咢裂片に包まれています。


 葉の特徴

 先端 せんたん が鋭 するど く尖 とが っています。

 葉の縁 ふち にはぎざぎざの鋸歯 きょし があります。

 表面には柔 やわ らかい毛がまばらに、裏 うら には脈に沿 そ って毛が密 みつ に生えています。

 側脈 そくみゃく は10〜14対 つい。

 毛が密生 みっせい した葉柄 ようへい は長さ2〜2.7cm。

 葉のもとの方に蜜腺 みつせん が2個あります。



葉っぱは花が終わってから出てくるんですよね。
あと、葉っぱの大きさや形は、同じ木でも場所によってだいぶ違うんですって。