松木輝殷建築指図展

松木輝殷の絵様
展示解説文より
 絵様とは建物に施される彫刻の文様をいいます。 晩年の松木輝殷は主に建物の設計と彫刻を手掛けるようになり、さまざまの絵様を甲斐有松の銘で描いています。
 現在までのところ、明治9年(1876)に完成した祝学校が彫刻家松木輝殷の最初の仕事と考えられ、玄関上に鶴を配置すること、建物いずれかの場所に波頭紋か雨雲紋を施すことは晩年の建築まで一貫しており、建物に込めた松木の願いをうかがい知ることができます。
 さらに社寺仏閣の場合見返り獅子と梁にほどこす渦巻き紋に松木の特色があるように見うけられます。  実際に施された松木の作品には菊を配置した植物渦紋があり、残された多くの意欲的な渦巻き紋のデザインからも、松木輝殷が明治時代にふさわしい新たな装飾渦紋を創出しようとしていたことがうかがえます。

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